1. きっかけは、現場からの小さな相談
「電気分野の試験問題があれば、自分の理解度を確認できるのに」
そんな声がCADオペレーターから寄せられたのが始まりでした。現場では電気に触れる機会があるものの、体系的に振り返る場がなく、自身の知識レベルを客観的に測る手段もありませんでした。
しかし当時、電気分野の実務を踏まえて試験を作成できる内勤メンバーは不在。必要性は共有されていながらも、具体化には至っていない状況が続いていました。
2. 「自分でいいのか」という迷いの中で
試験問題づくりの話を打診されたとき、率直に感じたのは戸惑いでした。もっと適任者がいるのではないか、と。
とはいえ、電気系企業への配属者も増えていると聞いていましたし、空調や衛生設備を中心とする業務でも電気の知識は欠かせません。分野横断的な理解は、これからのエンジニアにとって重要だと感じていました。
自分一人ですべてを担うのではなく、詳しいメンバーと役割分担をすれば実現できる。そう考え、試験づくりに携わる決意をしました。
3. 「試験」と「実務」をどう結びつけるか
問題作成は想像以上に難航しました。
「現場ではそこまで求めないのではないか」
「実務とかけ離れた内容になっていないか」
議論を重ねる中で、メンバー間で意見が分かれる場面も少なくありませんでした。
特に苦労したのは、実務に即した図面表現と試験形式のバランスです。現場感を失わず、それでいて公平に評価できる問題へと落とし込む。その調整には何度も修正を重ねました。
さらに、問題文の言い回し一つにも慎重になりました。誤解を生まないか、別の意味に受け取られないか。読み返し、検討し、修正する工程を繰り返しました。
“試験として成立させること”と“実務から離れないこと”。その両立が最大のテーマでした。
4. つくる立場になって見えたこと
完成したときの安堵は大きなものでした。そして、実際に受験したメンバーから「最後までやり切れました」「資格を取得できました」と聞いたとき、この取り組みの意義を改めて実感しました。
同時に気づいたのは、受験者それぞれの経験値や背景が大きく異なるということです。「自分には当たり前」が、必ずしも全員に伝わるとは限らない。
どうすれば意図を正確に届けられるか。どうすれば学びにつながる設計になるか。その視点は、現在の業務にも活きています。
5. この試験が、次の挑戦への入口になるように
これから受験する方には、ぜひ最後までやり抜いてほしいと思っています。決して簡単な内容ではありませんが、努力すれば確実に力になる試験です。
そして、社内資格の取得をゴールにするのではなく、次の学びへとつなげてほしい。今回の電気分野をきっかけに、他領域にも興味を広げてもらえたら嬉しいです。
この試験が、エンジニアとして成長するための“入口”となることを願っています。